![]() コクン、コクン。 隣で船を漕ぐ。 その目は虚ろで、 少しソソられる。 ―肩で眠りに…。― 「おい、フェイ。眠いんじゃねぇの?」 気になって声をかけてみた。 すると、露骨に嫌な顔をした。 「眠くなんないね。」 フェイタンは一言言うと、読みかけの本に手を伸ばした。 だけどその手は、宙を切った。 「あ…。」 「ほら、眠みーんだよ。」 「五月蝿いね。」 そう言うと、沈黙。 ちらっと隣を見ると、目を一層細くして眠気と戦っているフェ イタンの姿があった。 俺は知っている。 最近、フェイタンがあまり寝ていないコトを。 団長がいなくなってから。 毎晩、毎晩…。 別に見たわけじゃねぇけど。 なんとなく…わかる。 また船を漕ぎ出したフェイタンの腰をそっと掴んだ。 「な、何する!?」 「肩貸してやるよ。」 「はぁ?」 「肩貸してやっから少し寝ろや。」 フェイタンの腰を引っ張って密着させた。 「肩までとどかねぇな。」 「五月蝿いね…。」 フェイタンは小ぇから。 俺の肩までなんてとてもじゃねぇけど届かない。 俺は少し深く座った。 「…それは嫌味か?」 「そーゆー訳じゃねぇよ。 なんでそー取るかねぇ。お前は。」 俺は苦笑して。 隣を見たら、 フェイタンも薄く笑みをもらしていた。 「それじゃ、得慮なく借りるね。」 「あ、あぁ。」 コツン…と肩より少し下に頭が触れた。 服越しで伝わる温もり。 「寝ちまえよ。」 「そうさせてもらうね。」 軽いフェイタンの重みが少し増えた。 完全に俺に身体を授けている。 スースーと規則正しい寝息まで聞こえてきた。 「ゆっくり休めよ。フェイ…。」 小さな声で一言伝えた。 ――後書きという名の言い訳。→ のほほん目指して撃沈です。 そして短い…。何なんだ。 別館「冬眠中。」と合わせて書き上げました。 眠くなったら寝ちまうと思いますけどね。 妄想オンリィで逝かせてクダサィ。 →戻。 |